ふと疑問に思ったのですが、「虫の知らせ」という言葉を日常生活でたまに耳にしないでしょうか。
知っている方もいると思いますが、広辞苑で「虫の知らせ」調べたところ、下記を意味するようでした。
何の根拠もないが、何か悪いことが起きそうな不安を感ずること。
広辞苑 第五版 岩波書店
ところで、その悪いことを知らせてくれる「虫」って、一体全体、何者なんでしょうか。
結論からいうと、わかりません。軽くググりましたが、どんな生物なのか、詳細をみつけることができませんでした。
ただ同じく広辞苑で「虫」の意味を調べると、下記の意味があるそうです。
①本草(ほんぞう)学で、人類・獣類・鳥類・魚介類以外の小動物の総称。昆虫など。
…(中略)
⑤潜在する意識。ある考えや感情を起こすもとになるもの。古くは心の中に考えや感情をひき起こす虫がいると考えていた。
…(後略)
広辞苑 第五版 岩波書店
この⑤の意味の「心の中に考えや感情をひき起こす虫」さんが、「虫の知らせ」の「虫」に関係しているかもしれませんね。あくまで想像ですが。
そして漢字源で「虫」の意味を調べると、下記のような意味があります。
①{名}むし。昆虫(コンチュウ)の総称。
②{名}動物の総称。▶︎羽虫は鳥類、毛虫は獣類、甲虫は亀(かめ)類、鱗虫(リンチュウ)は魚類、裸虫は人類のこと。
…(後略)
漢字源 JIS第1〜第4水準版 学研
あれ?
どうも昆虫以外も「虫」という漢字が使われる可能性があるようです。
「虫の知らせ」の「虫」、謎が深まる一方です。
以下はあくまで私の仮説というか、根拠のない予想ですが、もしかしたら「三尸(さんし)」が知らせているのかもしれないな、と勝手に思っています。
「三尸」というのは、道教で人間のお腹の中に住んでいると考えられている、3匹の虫です。
この虫たちは宿主の日頃の行いを見ていて、悪いことや隠しごとを知っています。
庚申の夜、宿主が寝ているすきに、「三尸」がお腹から出てきて、天にいる神様にその悪事を告げ口しにいこうとします。
「三尸」が天に告げ口するのを阻止するために、庚申の夜は寝ずの番をする風習があったそうです。
もしかしたら、この「三尸」が「虫の知らせ」にも関係していたりしないかな?と想像してしまいました。
たまには天ではなく宿主に、「三尸」がお知らせしてくれているのかもしれません。
そう仮定すると、「三尸」なんなの?…という抜け出せない沼にハマってしまいそうです。でも、得体の知れないものの正体を想像するのって、おもしろいですよね。