今回は『とっておきの気分転換』という本を1冊紹介します。
手軽にできる「気分転換」の方法を題材にした、やわらかい文章とイラストのエッセー本です。
『とっておきの気分転換』
本の情報
- 作品名: とっておきの気分転換
- 著者名: 廣瀬裕子 著、杉浦さやか 絵
- 出版社: KKベストセラーズ
- 出版年: 1997年
- ジャンル: エッセー
- ページ数: 111ページ
- 内容: 日常生活に小さな「気分転換」を取り入れて、自分で自分をしあわせにする50個の方法をつづったエッセー。「お日さま色の花を生ける」、「クリームたっぷりのお菓子を買いに行く」など
私が持っているのは、こちらの文庫版(幻冬舎文庫)です。
この本のポイント
- 見開き2ページで、1つのお題を解説している
- イラストがかわいい
- 出版されてから25年以上経過しているのに、内容に古さがない
見開き2ページで、1つのお題を解説している
この本1冊で、50個(文庫は55個)の気分転換の方法が紹介されています。
見開き2ページで1つのお題が載っていて、文字数は300~500文字くらいとかなり少なめです。
本というと1ページに、文字がびっしり詰まっているのが普通ですが、この本はいい意味でスペースが多い。
文字数が少なくて余白がたくさんあるので、1文1文が目にとまりやすくなって、これはこれでいいなと思っています。
またシンプルでやわらかい言葉が使われていて、眺めていると力が抜けて、のんびりした気持ちになれます。
肩を張らずに本を開けることができるのが、この本の魅力かなと個人的は思っています。
見開きでお題が完結するので、好きなページから好きなだけ読めるのもいいですね。
イラストがかわいい
杉浦さやかさんが描く、イラストがとにかくかわいい!
各お題にテディベア風のくまさんの挿絵がついていて、やわらかい文章の雰囲気にとても合っています。
1題1題、ページをめくるたびに、いろんな表情のくまさんが描かれていて、見ているのが楽しいです。
出版されてから25年以上経過しているのに内容に、古さがない
この本のすごいところは、25年以上も前(四半世紀!)に書かれているのに、今読んでも通じる点ですね。
たしかにこの本であつかっているテーマは、すごく当たり前のことで目新しいことはないかもしれません。
しかし当たり前として意識されない些細なことが、じつは本質なのかもしれないとも感じます。
世界はすごいスピードで変わっています。たくさんのものが、数年も経てば古くなってもおかしくありません。
たとえば、スマートフォンですね。25年前は一般人が電話をするなら、固定電話を使うしかなかったと思います。
電話機としては新しい技術のはずのスマートフォンですが、毎年のように新しい機種が出てきて、去年発売したばかりの機種がもう新しくはない…というマイナーな変化は日常的に発生しています。
しかし「だれかとコミュニケーションを取りたい」という当たり前すぎる欲求や目的は、別のもので取って代わることはできなさそうです。
人間にしあわせを提供するツールは、これからも猛スピードで変わっていくでしょう。しかし人間がしあわせを感じること自体は、そんなに変わらないのかもしれません。
おいしいものを食べること・仲間と会って話すこと・自分で手作りすること・ゆっくりお休みすること…どれも派手さはないですが、よろこびを感じることだと思います。
そんな当たり前にあって見過ごしがちな、しあわせに目を向けるヒントがこの本にたくさん詰まっています。
まとめ
今回は『とっておきの気分転換』というエッセー本について紹介しました。
かわいいイラストに癒されつつ、気軽に読めるエッセーをおさがしの方にはいいかもしれません。