捨てられないものは人それぞれかと思います。私の場合は本などの紙が好きで数年前までなかなか捨てられなかったです。特に自分で紙に描いたイラスト(アナログイラスト)は格段に思い入れが強く、段ボールで長年保管していました。小学生くらいの時から描きためていたので、数年前に廃棄した時には段ボール3、4箱分くらい分量になっていました。どれだけ稚拙(下手)とわかっていても自分でつくったものは、愛着がわいて捨てがたいものですね。
この記事では長年描きためたアナログイラストを処分した時に不安だったこと、処分方法(電子化)、イラストを電子化して感じたメリットについてお伝えします。ご自身で描いたアナログイラストの処分に不安を感じていて捨てられない方はもちろん、お子様やご友人などが描いてくれたイラストの保管に悩んでいらっしゃる方の参考になれば幸いです。
アナログイラストを保管するデメリットと電子化するときの不安
最初にアナログイラストを保管していた時に痛感していたデメリットは、下記のようなものでした。
- イラストの保管に場所が取られる
- 家族に見られるリスクがある
- 自分が亡くなったときにゴミになる(他人に処分してもらう必要がある)
- 持ち運びに不便(引っ越しなど)
- 消失するリスクがある(家事など)
- 経年劣化していく(カラーイラストの発色など)
上記以外でかなり個人的な理由ではありますが、「保管場所に気を遣う」というのがありました。イラストの保管場所に段ボールに段ボールを利用していたので、虫が発生しないか気になっていました。幸い保管していた期間中、一度も虫は発生しませんでした。しかしながら、脳のリソースを一部消費していたので心理的に余計なコストを払っていたなと今は思います。
アナログイラストにデメリットを感じていたものの、イラストを捨てるというのは考えもせずに長年過ごしていました。数年前に心境に変化があり、イラストを電子化するとを検討し始めました。ただ下記の心配があり、暫くはイラストの電子化に踏み切れませんでした。実際に電子化してイラストを処分してから、大した問題ではないとわかりました。
- パソコンにデータを保管していたら消失しないか?
→正しく保管していれば消えません。心配な場合は複数の場所(外付けの記憶媒体、クラウドストレージなど)にも同じデータを保管していると安心 - アナログイラストより画質が劣化しないか?
→モノクロ(白黒)の場合は全く問題なかったです。下絵の線まで写っていました。
カラーの場合は色味が多少変わるので△
アナログイラストを電子化する方法
アナログイラストを具体的に電子化する方法はいくつかあります。私が検討した方法は下記です。
- 家庭用のスキャナー(もしくは複合機)を利用する
- 業務用の大型コピー機を利用する
- スマートフォンで撮影する
それぞれの説明は下記です。
家庭用のスキャナー
最終的に1万円台の家庭用のスキャナー(複合機では単体)を購入して、画像をスキャンして電子化しました。絶対にこの方法がおすすめというわけではなく、消去法でこの選択になりました。もっといい方法があるかもしれませんが、現段階ではこの方法が一番電子化に時間がかからないと個人的には思っています。概ね満足していますが、1点だけ難点を上げると、カラーイラストをスキャンすると画質が多少オリジナルのものと異なります。高性能な家庭用スキャナー(CCD方式センサー搭載機)であれば一般的なスキャナー(CIS方式搭載機)よりも色味が改善されますが、完全にオリジナルの色味を再現することはできないようです。モノクロイラストであれば一般的なスキャナー(CIS方式搭載機)でも画質に問題はなかったです。大量にモノクロのアナログイラストを電子化する場合は、この方法が手間が少ないかなという感想です。
業務用の大型コピー機
業務用の大型プリンターは、コンビニになどにイラストを持ち込んで、設置してあるコピー機でスキャンして外付けのU記憶媒体に取り込むことになります。恐らくこちらの方が家庭用プリンターより画質はいいかと思います。しかしながら移動と費用が他の方法に比べてかか、大量にイラストをスキャンするには適していない、こちらは早々に候補から外れました。もし家庭用のスキャナー以上の画質が必要で、アナログイラストの枚数が少ない場合は検討の余地があります。
スマートフォンで撮影
初期投資がかからず、カラーイラストの色味をほとんど変えずにアナログイラストの取り込みができます。家庭用のスキャナーと最後まで悩みました。選択肢から外れた理由は、まっすぐ撮影できなかったことと撮影時にスマートフォンの影が映りこむからです。イラスト撮影用などのアプリを利用したり、Youtuberさんが利用しているような撮影用のスマートフォン照明を利用して、イラストの周りを白い板で囲んだり…と試行錯誤しました。頑張ればきれいにイラストを取り込むことができますが、1枚のアナログイラストの撮影のために、機材を用意したりと手間と時間がかかりすぎるため最終的に諦めました。少数のカラーイラストの電子化の場合は、こちらで問題ないかと思います。
アナログイラストを電子化して感じたメリット
最後にアナログイラストを電子化して感じたメリットを紹介します。
- 場所が空く(ものが減る)
- 電子化しても画質がオリジナルとほとんど変わらない(モノクロイラストの場合)
- ペイントソフトでアナログイラストをリライトできる(着色が容易になる)
- サムネイル表示で、どこにイラストがあるかわかりやすい
- 移動しやすい(引っ越ししても荷物にならない)
- 他の方にイラストを見せやすくなった(公開する機会が増えた)
一番意外だったのは「他の方にイラストを見せやすくなった」ということです。アナログイラストを描いていた時は、ノート一冊にイラストを描き終えたら、誰にも見せずにすぐに段ボールにしまい込んでおりました。アナログイラストを電子化することで、イラストコミュニケーションサイトに投稿するハードルが下がったり、スマートフォン1台あればクラウドストレージから引っ張りだすこともできますので、話のネタでお友達に見ていただく機会もできました。
【まとめ】アナログイラストは電子化するメリットがたくさん
この記事では下記3つのパートに分けて、アナログイラストは電子化するメリットを紹介しました。
アナログイラストを電子化するまでメリット
- アナログイラストを保管するデメリットと電子化するときの不安
- アナログイラストを電子化する方法
→家庭用のスキャナー、業務用の大型コピー機、スマートフォン
大量にモノクロイラストがある場合は家庭用スキャナーが〇、カラーイラストを美しく残したい場合は、業務用の大型コピー機、スマートフォン - アナログイラストを電子化して感じたメリット
私自身最初は大事なイラストを電子化して処分することに大きな葛藤がありました。しかしオリジナルのクオリティをほとんど変えることなく電子化できることがわかり、一気にアナログイラストを処分できました。イラストを処分しても心は満たされた状態で、少し身軽になることができやって良かったなとつくづく感じています。もし興味が少しでもある場合は、とりあえずスマートフォンで撮影するだけでも実施するといいかなと思います。アナログイラストの保管と処分について検討されている方の少しでもお役に立てたら幸いです。